建設業許可の重要な要件の1つとして、専任技術者の要件があります。
専任技術者は専技(せんぎ)と呼ばれます。
専技の要件は、知事許可と大臣許可の分類において違いはありません。
ただ、大臣許可になると複数の営業所が前提となり、専技は営業所ごとに配置しなければならないため、必然的に要件を満たすことが難しくなります。
一方で、一般建設業と特定建設業においては、専技の要件は大きく異なります。
特定建設業の方が厳しい要件が科されます。
また、建設業の業種ごとにも、専技の要件を満たすための資格や学歴が異なります。
専技は誰がなることができるのか?
経営業務の管理責任者は、許可申請者の役員もしくは事業主本人しかなれませんが、専技においては役員だけでなく従業員でもなることができます。
ただし、経管と同様に営業所に常勤で勤務していなければならず、社会保険の加入や、住民税の特別徴収により証明します。
専技になるために必要な経験とは?
経管においては「建設業に関する経営者としての経験」が求められました。
これは一般建設業、特定建設業に関わらず同じです。
一方、専技においては、一般建設業か特定建設業かによって異なります。
基本的に、資格があるか、実務経験があるかが要件となります。
必要となる資格については、業種ごとに異なります。
詳しくは専任技術者の業種ごとの要件をご覧ください。
一般建設業の場合
「業種ごとに定められた資格があること」、もしくは「許可を受けようとする業種に従事していた一定年数以上の実務経験があること」が要件となります。
特定建設業の場合
「業種ごとに定められた資格があること」、もしくは「一般建設業の専技要件に加えて、指導監督的実務経験が2年以上あること」が要件となります。
実務経験について
一般建設業における専任技術者の要件として、資格保持者がいない場合は、許可を受けようとする業種に関して10年以上の実務経験者が必要となります。
この10年以上という期間は、高校・大学において許可を受けようとする業種に関連する学科を卒業した場合には、高卒で5年以上、大卒で3年以上に短縮されます。
関連学科の詳細は専任技術者の業種ごとの要件をご覧ください。
また一部業種の実務経験は、別の業種の実務経験として振替が認められています。詳しくは、専任技術者の実務経験の緩和措置をご覧ください。
許可を受けようとする業種に関しての実務経験とは
その業種の建設業許可を持っていた企業に属していたかどうか、もしくはその業種の請負工事を行っていた企業に属していたかどうかで判断します。
企業に属していたかは社会保険の加入記録や、源泉徴収簿等で判断します。
専技は許可を維持するための要件でもあります
専技の要件は、経管の要件と同様に、許可を取得するためだけの要件ではなく、許可を維持するための要件でもあります。
たとえ専技の要件を満たす有資格者を一時的に雇い許可を取得したとしても、その人がいなくなってしまうとその時点で許可の効力が無くなり、無許可営業等で法律に違反することになってしまいます。